部門講演会優秀研究表彰(解析コンテスト): 小宮 聖司(神奈川工科大学)

 このたび,設計工学・システム部門講演会解析コンテストにおきまして優秀研究表彰をいただき,大変光栄に思っております.
 現在,パーソナルコンピュータは数年前と比較にならないほどの計算能力を持つ時代となり,技術者が手元で設計から解析まで,手軽に行えるようになって来ました.しかし,その多種多様で膨大な出力を自ら評価して行く事が,開発者にとって特に重要となってきているこの時期に,本システムの位置付けや必要性に対して,私どもの発表内容に多くの方々が興味を持って頂けたものと思います.
 
本システムは鉄道車両が高速走行中に地盤から加速度が加わった場合の車輪とレールとの複雑な現象を例に取り上げ,その相互運動等の動的解析結果をコンピュータ内の仮想現実空間に可視化して,よりリアルに設計者にその現象を伝えられるように工夫されたものです.この,仮想現実空間における車両走行実験によって,製品が生まれる前の設計の段階で様々な工学的および視覚的な検討が可能で,実物の線路構造物上での走行実験等とあわせて,新しい線路構造の設計や評価に利用できると考えられます.本システムは,鉄道総合技術研究所との共同研究により,現場で実際に使われる方の意見を取り入れる事により,社会のニーズにあった,製品開発を意識したシステムの開発に留意しました.

 
この表彰により,今後の研究に大変よい励みになるとともに,微力ながら今後とも製品開発に貢献できれば幸いです.改めて,貴重な教示を頂いた先生および鉄道総合技術研究所の方々に,厚く御礼を申し上げます.

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